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スケルトンリフォームの費用相場！注意点や価格を抑えるコツも紹介

2023年7月6日

スケルトンリフォームとは

スケルトンリフォームとは、骨格・骨組みを意味するスケルトン（skeleton）と、修正や修繕を意味するリフォーム（reform）を合わせた言葉です。

設備の取り替えや床の張り替え、外壁の塗り替えなどを実施する通常のリフォームと異なり、床・壁・天井をすべて取り払い、躯体のみの状態にしてから作り直す大規模な工事をスケルトンリフォームと表現します。

また、マンションのスケルトンリフォームは、戸建てのスケルトンリフォームと異なる点に注意が必要です。戸建ての場合は屋根や外壁も含めて住戸全体を解体・撤去するのに対し、マンションの場合はあくまで住戸内を解体・撤去するもので、外装まで作り直すことはしません。

なお、スケルトンリフォームと類似した意味で、フルリフォームやフルリノベーションという言葉が使われることもあります。

スケルトンリフォームの費用相場

中古マンション購入後にスケルトンリフォームする方法を選べば、新築マンションよりもコスト削減を期待できます。ただし、スケルトンリフォームは通常のリフォームに比べて規模が大きく、高額になる点に注意が必要です。

スケルトンリフォームの費用を安く見積もり、少し無理をして高額の中古マンションを購入してしまうと、トータルコストが近隣の新築マンション購入費用を上回る可能性もあります。あらかじめスケルトンリフォームの費用相場を確認しておきましょう。

なお、本記事で取り上げるのは、主にマンションをスケルトンリフォームするケースですが、それぞれ比較できるように戸建ての費用相場も参考として紹介します。

マンションのスケルトンリフォームの費用

一般的に、マンションのスケルトンリフォームにかかる費用は1平方メートルあたり10〜15万円程度です。そのため、500〜1,500万円はかかることを想定しておいた方がよいでしょう。

なお、総務省による2018年の調査によると、札幌市の持ち家・共同住宅の1住宅あたり延べ面積は82.84平方メートルのため、単純計算で800万円以上かかることになります。

参考：総務省「住宅・土地統計調査平成30年住宅・土地統計調査」

戸建てのスケルトンリフォームの費用

戸建てのスケルトンリフォームにかかる費用も、1平方メートルあたり10〜15万円がひとつの目安となります。ただし、戸建てのスケルトンリフォームには総額1,000万円以上かかる可能性が高いでしょう。

マンションのような制約がないため大規模な工事を実施できる点が、戸建ての方が費用が高い傾向にある主な理由として考えられます。

スケルトンリフォームの費用を抑えるコツ

スケルトンリフォームを実施する際、費用が相場どおりの金額になるとは限りません。以下のポイントによって、費用が変動する可能性があります。

・リフォーム内容
・間取り
・物件の痛み具合

それぞれのポイントにおいて、費用を抑えるコツを紹介します。

リフォーム内容

どのようなスケルトンリフォームを実施するかによって、費用が変動します。たとえば、キッチン・トイレ・浴室など水回りに関する場所の位置を変える場合は、配管工事が別途必要になるため、費用が高額になりやすいです。費用を抑えるためにも、水回りの位置は変えずにリフォームをしましょう。

また、断熱リフォームを実施すると、その分費用もかさみます。ただし、築年数が経過した中古マンションは断熱性能や気密性が新築に比べて劣るため、冬の寒い北海道で快適に暮らすためには大切な工事であることも頭に入れておきましょう。

断熱性を高めることで、光熱費を削減できることもあります。予算にもよりますが、断熱性に問題があるときは、断熱リフォームを実施するようにしてください。

間取り

子ども部屋や書斎のために部屋の数を増やすケースのように、間取りを変更する際にはより多くの資材を必要とします。結果として、費用がかさみやすい点を理解しておきましょう。担当者とも話し合い、間取りの変更は最小限に抑える工夫をしてください。

また、購入予定の物件の概要によっても費用が変わります。たとえば、物件がマンションの高層階にあればあるほど、運搬に手間がかかるため、高額になりがちです。予算を立てるときは、引っ越し代も含めて計画しましょう。

物件の傷み具合

スケルトンリフォームで住戸内を解体する際、腐食・ひび割れしている箇所が見つかることがあります。物件の傷み具合によっては、当初想定していた費用よりも高額になるでしょう。

建物の状態次第では、中古マンション購入後リノベーションするよりも、新築マンションを購入した方が低価格で住める可能性があるため、物件選びは慎重に行うことが大切です。購入前にリフォームの見積もりもしてもらい、リフォーム費用を加えた金額で物件を比較検討してください。

スケルトンリフォームの工期目安

スケルトンリフォームは、通常のリフォーム工事よりも長引くことが一般的です。通常のリフォーム工事であれば部分的に修繕をおこないますが、スケルトンリフォームでは、最初に躯体以外のすべてを取り払う必要があるため、その分の時間がかかります。

また、リフォームの範囲が広くない場合であれば、暮らしながら工事を進めることも可能です。しかし、スケルトンリフォームでは暮らしながらの工事は不可能なため、仮住まいに引っ越すことが必要です。もちろん家財道具をすべて一旦移動させる必要があるため、さらに時間がかかります。

スケルトンリフォーム完成後には、仮住まいからの引っ越しの手間もかかります。このような事情から、着工から完成までに3ヶ月は見ておく必要があるでしょう。

戸建て住宅のスケルトンリフォームでは、外壁も取り払うことがあります。その場合は4～5ヶ月はかかります。スケルトンリフォームを実施するときは、2回の引っ越し代と仮住まい代も含めて予算を立てるようにしてください。

工期が長引く要因

リフォーム工事の途中で、「間取りを変えたい」「吹き抜けを作りたい」などの新たな要求が生じたときは、工事計画を立て直さなくてはいけないため、工期が長引くことがあります。

また、「床材を変更したい」「システムキッチンを別のモデルにしたい」などの要求が生じたときは、発注をし直す必要が生じるだけでなく、すでに取り寄せた資材や設備を返品しなくてはいけません。このように変更が生じると工期はその度ごとに長引くため、着工までにリフォーム業者としっかりと話し合い、変更が生じないようにしておきましょう。

工期が長引くと、その分の人件費もかさみ、リフォーム費用が見積もりよりも高額になることがあります。返品などにも費用がかかるため、工事中の変更は最小限に抑えるようにしましょう。

なお、スケルトンリフォームでは内壁などを取り払って内部構造も一度露出させるため、工事を始めてから思わぬトラブルに気付くことがあります。たとえば柱の一部や壁の内部が腐敗していたなどのケースでは、補強工事などを追加で実施しなくてはいけません。工期が長引くだけでなく、費用も見積もりより高額になることがあるため注意しましょう。

スケルトンリフォームに適した時期

外壁や屋根を変更しないでスケルトンリフォームをおこなう場合、基本的には気候の影響を受けません。

そのため、途中で要求を変えたり、トラブルが見つかったりしない限り、どの時期に工事を始めても予定どおりの時期に完了できると考えられます。特に時期にこだわらず、リフォームを思い立ったときに業者に相談してください。

ただし、スケルトンリフォームは引っ越しを伴うため、進学や受験の時期に重ならないほうがよいでしょう。学齢期の子どもがいるときは、慎重に時期を決めてください。

スケルトンリフォームのメリット

中古マンションを購入してからスケルトンリフォームして入居することで、さまざまなメリットを期待できます。

まず、新築マンションを購入する場合と比較し、コストを抑えられる点がメリットです。費用は安くても、スケルトンリフォームすることで内装が新築同然の状態で快適に生活できます。

そのほかにも、次のメリットがあります。

・間取りを変更できる
・給排水管・水回りの設備も一新できる
・耐震性能・断熱性能を向上できる
・内部の傷みにいち早く対応できる
・再建築不可物件も視野に入れられる

それぞれのメリットについて、具体的に見ていきましょう。

間取りを変更できる

スケルトンリフォームでは躯体以外を一度取り払うため、間取りも自由に変更できます。現在の家族構成や、将来的に予想される家族構成・ライフスタイルの変化なども考慮に入れ、柔軟に決めることが可能です。

将来的な家族構成や適切な間取りが決めにくいときは、大きめに個室を確保して、引き戸で仕切りをつくる方法も検討できます。リフォーム業者と話し合い、暮らしやすい住宅に変えましょう。

給排水管・水回りの設備も一新できる

スケルトンリフォームでは、給排水管なども替えられます。新築時から20年ほど経過しているときは、給排水管が寿命になっているかもしれません。安心して暮らすためにも、給排水管の取り替えも検討しましょう。

また、水回りの設備も一新できます。水回りの設備は使用頻度も高いため、劣化しやすい部分です。外観が古びてしまうと、衛生的ではない印象を与えることもあるため、設備全体の取り替えも検討してください。

耐震性能・断熱性能を向上できる

スケルトンリフォームと同時に、耐震性能の向上を図るのもおすすめです。1981年5月以前に建築確認された物件は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。安心して暮らすためにも、耐震性能を高めましょう。

また、断熱性能の向上を図ることも検討してください。断熱材の性能は日進月歩です。新築時に使用した断熱材よりも高性能の断熱材を導入することで、より快適に暮らせる住宅に仕上がります。

内部の傷みにいち早く対応できる

スケルトンリフォームでは内壁や天井板、床板などをすべて外してから工事を開始するため、外からだけではわかりにくい傷みを発見できることがあります。内部の傷みに早く気付けば、その分、早く対応でき、少ない手間・費用で住宅を良好な状態に戻すことが可能です。

また、外壁や屋根材を剥がす場合であれば、さらに広範囲で住宅の傷みをチェックできます。安心して長く暮らせる住宅にアップデートするためにも、スケルトンリフォームの際に住宅点検も実施してもらいましょう。

再建築不可物件も視野に入れられる

住宅は、幅4m以上の道路に2m（地域によって基準が異なることもある）以上接していなくてはいけません。これを接道義務と呼びますが、接道義務を満たしていないときは、建物を壊して建て替えることができない「再建築不可物件」になります。

しかし、再建築不可物件でもリフォームは可能です。再建築不可物件は比較的安価に取引されることが多いため、再建築不可物件を購入してスケルトンリフォームをするという選択肢も検討できるでしょう。

スケルトンリフォームのデメリット

メリットの多いスケルトンリフォームですが、いくつかデメリットとなり得る点もあります。スケルトンリフォームを実施する前に、次の3つの点を確認しておきましょう。

・新築物件よりも割高になることがある
・地盤改良はできない
・追加費用がかさむことがある

それぞれどのようなデメリットか説明します。

新築物件よりも割高になることがある

新築物件は、土地代と建物代だけで購入できます。しかし、スケルトンリフォームは、土地代と建物代に加え、スケルトン状態にするための費用、新たに建築する費用が必要です。

安価に土地・建物を購入できた場合でも、壊して作ってという過程に高額の費用がかかれば、新築物件よりも割高になることがあります。また、設備・資材にこだわるとさらに高額になります。

住宅を建てたい場所に手頃な売地がないときや、現在居住している場所で住みやすさを向上したいときなど、住む場所にこだわって家を建てたいときは、スケルトンリフォームはよい選択肢です。しかし、費用にこだわって家を建てたいときは、必ずしもよい選択肢とはならない点に注意しましょう。

地盤改良はできない

スケルトンリフォームは住宅の基礎と躯体は元のままで、それ以外の部分を全面的にリフォームする手法です。そのため、地盤や基礎に問題があるときでも、気付きにくいだけでなく、改善もできません。

地盤に問題があるときは、リフォーム工事により元々の住宅よりも重量が増すことで地盤沈下が起こり、建物にゆがみが発生する可能性もあります。新築時に地盤の問題を指摘されていた場合は、リフォーム工事を始める前に再調査を実施し、結果によってはスケルトンリフォームではなく建て替えも検討してみましょう。

追加費用がかさむことがある

スケルトン状態にしたときに、予想以上の傷みが見つかることがあります。たとえばシロアリなどにより基礎が腐敗しているケースもあるでしょう。

傷みが見つかったときは、修繕工事や建て替え工事が必要となり、見積もりよりも費用が高額になってしまいます。リフォーム業者に見積もりをしてもらうときは、追加費用の可能性や想定される最大金額についても確認しておきましょう。

スケルトンリフォームを行う際の注意点

スケルトンリフォームを実施することでさまざまなメリットを期待できる一方で、いくつかデメリットも存在します。デメリットを軽減するために、以下の点を把握しておきましょう。

・リフォームを得意とする施工会社を選ぶ
・工期・費用にゆとりを持った計画を立てる
・防火地域かどうか把握する

各注意点を解説します。

リフォームを得意とする施工会社を選ぶ

スケルトンリフォームは大規模な工事になるため、後悔しないように慎重に業者を選ばなければなりません。専門知識や経験・実績を有し、リフォームやリノベーションに強みを持つ施工会社を選ぶことがポイントです。

また、工事する段階になって物件の激しい損傷に気づくことにならないよう、物件選びもサポートしてくれる業者を選ぶとさらによいでしょう。

選ぶポイント1．過去の実例が希望に近いか

施工会社によって、得意とするスタイルが異なります。スケルトンリフォームによって理想の住宅を実現するためにも、好みのスタイルで仕上げてくれる施工会社なのか確認しておきましょう。

施工会社に相談すれば、過去のスケルトンリフォーム事例を写真で見せてもらえます。家族が希望するようなスタイルに仕上がりそうか、写真も参考に見極めてください。

また、リフォーム事例を写真で見せてもらうことで、工事に対する希望を伝えやすくなります。「トイレはこの事例のようにして欲しい。ただし壁紙と床材は、こちらの写真のほうでお願いしたい」などと視覚的に説明できるため、担当者と認識のずれをなくし、より満足度の高い住宅に仕上がります。

選ぶポイント2．要望をしっかりと聞いてくれるか

スケルトンリフォームで希望どおりの住宅にするためにも、要望をしっかりと聞いてくれる施工会社を選びましょう。技術的な問題などで、専門家としての視点から的確なアドバイスをしてくれるのは好ましいことですが、好みや主張を押しつける担当者では困ります。

希望にあわない提案を受けたときは、なぜそのように提案するのか理由を尋ねてみてください。技術面や機能面から納得できる理由を説明してくれる担当者なら、信頼して任せることができます。

しかし、「皆さん、そうされていますよ」「最近のトレンドですよ」といった根拠のない理由を述べる場合は、少し注意が必要です。家族の希望を叶える住宅に仕上げるためにも、担当者と納得できるまで話し合っておくようにしましょう。

選ぶポイント3．地域で高い評判を得ているか

施工会社を選ぶときは、地域で高い評判を得ているかどうかにも注目してみましょう。リフォーム後に思わぬ不具合が見つかることや、後でまた別の工事を依頼することもあるかもしれません。評判のよい施工会社なら、不具合や追加工事にもスムーズに対応してもらえます。

また、全国規模でリフォーム工事を実施している施工会社でもよいのですが、急なトラブルに対して迅速な対応を期待できないことがある点に注意が必要です。地域に根ざした施工会社で、なおかつ評判もよい会社であれば、将来的にも長く付き合い、住宅に関するさまざまな悩みを相談できます。

選ぶポイント4．アフターサービス

アフターサービスにも注目してみましょう。リフォーム後に定期点検を受けられたり、有償・無償で修繕工事を実施してもらえたりすると、より安心してスケルトンリフォーム工事を依頼できます。

リフォーム工事が完了した直後にはわからなくても、数週間、数ヶ月経ってから不具合が見つかることもあります。アフターサービスが充実している施工会社であれば、時間がある程度経過してから見つかった不具合に対しても適切な対応を期待できるでしょう。

選ぶポイント5．価格だけで決めない

いくつかの施工会社から見積もりを取り、費用などを比較して依頼先を決めましょう。しかし、リフォーム価格だけで決めることはおすすめできません。リフォーム内容や工事スキル、使用する資材・設備なども詳しくチェックし、比較することが大切です。

また、担当者との相性も重要なポイントです。スケルトンリフォーム工事は長ければ約半年かかるため、相性がよくない担当者のときは、お互いにストレスを感じるかもしれません。

工期・費用にゆとりを持った計画を立てる

スケルトンリフォームでは、資材配送の遅れ・人手不足・設備老朽化の発覚などさまざまな事情により、工期が遅れたり費用が想定より高くなったりすることがあります。

そこで、予想外の状況に慌てることのないように、工期・費用にゆとりを持った計画を立てることがポイントです。

また、スケルトンリフォーム期間中の仮住まいをどこにするのかも、早めに検討しておきましょう。

防火地域かどうか把握する

建築法第61条では、防火地域や準防火地域における建物に対する規制が定められています。該当する場合、ドアや壁などで指定されたものを使用しなければならないため、購入予定の物件が防火地域や準防火地域に位置するかあらかじめ確認することが大切です。

また、そもそもスケルトンリフォームが可能な物件か、各マンションが定めた「管理規約」を読んで確認しておきましょう。

スケルトンリフォームという選択肢も検討してみよう

中古マンション購入にあわせてスケルトンリフォームをすれば、新築マンション購入よりコストを抑えられる上に、自分の理想の空間を実現できます。

ただし、リフォーム内容や物件の傷み具合によって費用が高額になり、新築マンション購入よりも高くなるケースもある点に注意しましょう。新築マンション・中古マンションのリフォームにこだわらず、どちらが家族にあうのかメリットとデメリットを比較して検討してください。

中古マンションを選ぶときは、リフォームまでトータルでサポートしてくれる業者を選ぶことがひとつのポイントです。

中古マンションを購入してスケルトンリフォームやリノベーションすることに関心のある方は、The JOHNSON STORE（ジョンソンストア）二階の、M+（エムプラス）カウンターまで気軽にご相談ください。